ネット通販やオーダーメイドなど、色々な所で購入できるコスプレ衣装。
安い物から高い物までピンキリです。
安い物を買えば生地がやすっぽかったり、写真とちょっと違ったり。
せっかくの好きなキャラのコスプレで写真映えしない衣装を買ってしまった、となるとショックだしモチベーションも下がるし・・・買い直そう、なんてことも。
高い物を実物を見ずに購入するのはなかなか勇気もいると思います。
そう何個も、ぽんぽん買えるものでもないですよね。
それに売ってない衣装もたくさんあります。
マイナーなアニメや漫画、ゲームにハマってしまうと特にたくさんあって困る。
「このキャラは絶対に綺麗な衣装を着たい!」というのがあれば、完全オーダーメイドで依頼して作ってもらうのが一番良いと思います。
布のイメージに関しても、価格に関しても、ある程度相談しながら進めることができるので安心です。
ただコスプレ頻度が多ければ、毎回毎回オーダーメイドで作ってもらうのは難しいですよね。
そこで私がコスプレイヤーさんにおすすめしたいのは、【自作すること】です。
「服を作るなんてやったことない!難しそう!」と思う方も多いと思いますが、実はそんなことはないんです。
小学生の頃、家庭科の授業で雑巾縫いませんでしたか?あれの延長です。
もちろん、綺麗に作れるようになるのに時間がかかる人もいます。得意不得意があるので。
ですが「できない」ことは絶対にありません。
好きなキャラだけど衣装が売ってないからできない、なんてもったいなくないですか?
自分で作れたらそれも解決。
生地の選び方によっては安く済ませることもできるし、逆に金額は無視してこだわった良い布で作ることもできちゃうんです。
ということで、今回はコスプレ衣装の作り方、大まかな流れを紹介していきます!
衣装を作るのに必要なもの
- ミシン
- チャコペン(なければ鉛筆)
- アイロン
- 布や糸、装飾品
- 型紙(ハトロン紙)
- はさみ・のり
- トルソー ※あれば
ざっと思いつくものでこんな感じです。
おそらく本格的に作るとなればもっとたくさんの道具が必要です。が、今回はあくまでも「初心者向けコスプレ衣装の作り方」なので最低限必要な物を記載してます。
ミシンの針は替えもあったほうが良いです。
常に2〜3本は替え針を用意した状態で作業をしましょう!
トルソーもあるとすごく便利です。
今後も自作頑張ってみたい!と思ってる方は用意しておくと良いと思います。
自分の身体に近い物、高さを変えられるものが使い勝手がよくおすすめです。
衣装を作る流れ
①自分の作りたい衣装の全体を確認・把握
さあ衣装を作ってみよう!ってなった時にまず最初にすること、それは全体図を確認・把握することです。
どういうことかというと、スカートひとつにしても種類がたくさんあります。
制服の様なプリーツスカートなのか、お尻や脚のラインが出る様なタイトスカートなのか、それともふわふわのフレアスカートなのか・・・
ふわふわのフレアスカートを作るとなれば、それは「全円」なのか「270度」なのか「180度」なのかでふわふわ加減は大きくかわります。
つまりなにが言いたいのかというと、作りたい衣装を二次元から三次元化するとどうなるのか考えることが大切、ということです。
簡単でいいので絵に描いたり画像メモを入れておくといろんなタイミングで確認もできるので便利です。
こんな感じ。
作れるか作れないかではなく、とりあえずどう作りたいかのメモ。自分の頭の中の整理で大丈夫です。
「袖はパフスリーブにしたいな」
「ここはこんな布がいいな」
なんでもいいのでメモしておきましょう!
このタイミングで自分の寸法も測って、一緒にメモしてくと良いです!
②型紙製作
慣れるまでは結構な難関です。
ここらへんで難しい無理と感じてしまう方も多いと思います。
でもこれも、実はそんな難しいことでもないので、苦手意識を取っ払ってやってみましょう!
例えば①のイラストでも出てきた【パフスリーブのブラウス】。
こんな個性的な形の服の型紙ある?!おへそ出てるんでしょ?!襟もヒラヒラだし!って最初はなりますが、全く同じ服の型紙は多分ありません。
なので、似ているものを組み合わせたり改造したりしていきます。
今回のブラウスであれば【セーラーブラウス】の型紙が近いと思います。
セーラーブラウスはこんな感じ。
袖を半袖のパフスリーブにするのと、後ろからみると四角い大きな襟になってしまってるのでそこだけ改造すれば、使えます!
ではセーラーブラウスの型紙はどうやって入手するのか。
型紙は洋裁の本や雑誌はもちろん、ネットでも掲載されています。
本や雑誌であればそのまま切り取り、もしくは書いてある通りに拡大コピー。ネットで見つけた型紙であれば、サイトに記載されている手順通りにダウンロードし印刷して使います。
なれてきたら自分のサイズに合わせて作ろう!
印刷したものであれば紙は数枚〜数十枚になります。
それを自分でのりで貼り合わせ、線通りにハサミで切っていきます。
この型紙自体を改造してももちろん良いのですが、また同じ型紙を使いたくなった時に印刷して貼って切って〜がめんどくさいので私は、これをベースにして新たな型紙を作ります。
その場合は【ハトロン紙】などにベースの型紙を透かし写していきます。
ハトロン紙にベース型紙を写し終わったら、切る前に改造!
今回例に出しているセーラーブラウスは襟元と袖の改造なので、襟と袖の型紙を探します。
襟の場合はどの様に切ったら、または付け足したら自分が作りたい形になるのか。
袖の場合は最初から自分で改造するのは難しいので、「パフスリーブの衣装の型紙を探す」のが早いです。
見つけたら同じ様に印刷〜を繰り返し、袖部分だけ使いましょう。
改造が終わったら、ハトロン紙をカットして型紙の完成です!
③布の用意
用意する物に【布】も入れてしまったのですが、順番的には①と②を済ませてから買いに行った方が良いです。
理由は、なんの布を何メートル買えばいいのかわかりやすいから。
なにも考えずにいくと買い忘れなどもボロボロ出てきます。
布の長さが足りなかった・・・なんてことも。
もちろん、多めに買っておけば問題はないのですが・・・衣装の自作を始めると家に布が増える増える。
予算的にももちろんですが布の収納的にも、そんなに余らせないで買うことをおすすめします。
ということで、どのくらい布を買ったらいいのか。
まず①で描いたメモと、作りたい衣装の画像を再度確認しながらどんな布、パーツを買うのか決めていきます。
大体どんな布を買うか決めたら、次は何メートル必要なのか。
横幅110cmの布に型紙を並べるイメージで、床に並べてみるとわかりやすいです。
なんで110cmなのかというと大体の布は「普通幅」と呼ばれる110cm幅のものが多いから。
90cmや140cm幅のものもありますが、あくまでも参考目安に110cmで考えておくと便利です。
横幅110cmに収まる様に並べていって、何m買えば型紙が全部並ぶのか。
それで布を買う量を決めていきます。これを色ごとに。
買う長さを決めたらもちろんこれもメモしていきます。
今回の例ではこんな感じ。
横幅110cm想定で測っているので、買いに行った際に欲しい布が90cmなら想定よりも長めに、140cm幅なら想定よりも短めでOKです。
ボタンなどのパーツもしっかり確認。
レースは想像以上に使うので多めに買っておいた方がいいと思います!
このメモを元に、布を買いにいきましょう!!
最初のうちは布の種類も名前もわからないと思うから、とにかく現物をみて自分のイメージに近いもの、そして予算内に収まるものを選びましょう。
じっくり選んだら、カット台に持ってってカットしてもらいお会計。
ボタンやレースもたっくさん種類があるから悩みまくって最高の材料を手に入れよう!
④ 布の裁断
買ってきた布を切っていきましょう!
まず広い場所に布を裏側を上にしてひろげます。
用意した型紙を布の上に並べまち針で動かない様に固定した後、【チャコペン】を使って形どっていきます。
このチャコペンが本当にすごい。
3日くらいで自然にペンで描いた線が消えてくれる。
色の薄い布に使っても消えてくれるので完成後もなんかの拍子に線が見えてしまうとかがなくて安心。
チャコペンがない場合は鉛筆やボールペンでも代用が可能です。
あまり濃い色のもの、裏移りするものは避けましょう。
フリクションボールペンならアイロンで消えるのでおすすめ。
型紙を形どったら、裁ち鋏で布を裁断していきます。
⑤ミシンで布を縫い合わせる
ここでやっと!ミシンの登場です。
「家にミシンがないけど手縫いでいける?」と思ってる方、ミシンは買った方がいいです。
もちろん手縫いで作れないこともないですが、何倍もの時間がかかる&かなりの根気が入ります。
冷静に「新しいミシン買った方が早かったな」とおもった経験があります。
ミシンはいま安いものもたくさんあります。
コスプレ衣装を作るのは最低限、まっすぐ縫えればなんの問題もないので高いミシンを購入する必要はありません。
自作になれてきて、欲しい機能が増えてきたらグレードアップさせていけばOKです!
私は最近まで、このミシンを使っていました!
とにかく安いから購入したけど2年くらい?使っていたけど壊れなかったし衣装作りにおいて困ることは何もなかったので初心者さんには超おすすめ。
分厚い布や皮などを縫うのはちょっと苦労します。
いまはこのミシンを使ってます。
さっきのより少し高いけどこっちはなんの不便もなく、多少分厚い布でもサクサク縫ってくれます。
あと作業音が静かな気がします。
自作になれてきてミシンのグレードアップを考えてる方におすすめ。
ミシンの話が長くなりましたが、布を縫っていきましょう。
どの布とどの布をどの順番で縫い合わせればいのか、大体が型紙を見つけたサイトや本に一緒に記載されています。
書いてある手順通りに進めていきましょう!
布は基本的に全て【中表】で縫っていきます。
最終的に見える面、外側になる方を内側にして縫い合わせていくと最後に裏返すと縫い目が見えない綺麗な洋服になります。
縫い方に関しては、詳しいサイトや本で勉強するのが一番いいと思います。
あとはやっていく中で自分なりの方法が見つかってくるのでとにかく慣れることです!
最初は簡単そうな衣装から初めて、ミシンや布に慣れていきましょう!
⑥自分で着てみる
結構進んだ後にサイズが合わない!短すぎる!なんてこともたまに。
修正可能なうちに気付ける様に製作途中でもちょいちょい自分に当てがったり、着てみたりしたほうがいいです。
用意するものの所でもお話しましたが、自分の身体に合った【トルソー】を購入しておけばわざわざ自分で着なくてもトルソーに着せながら作業ができるのでめちゃめちゃおすすめです。
私は常にトルソーに着せながら作業を進めてます。
完成したものも撮影日までトルソーに着せておけばシワになったり崩れる心配もないので1個買っておくと便利ですよ!
⑦最終確認
全てのパーツが完成し、終わった!と思っても最後に確認が必要です。
自分で着てみて形に変な所がないかの確認はもちろん、糸がはみ出してしまっていないか、縫い漏れて隙間があいてしまってる部分はないか、まち針をつけたままの所はないかの確認もしましょう。
特に撮影でよく見える前側やチャックをつけた付近は念入りに確認!撮影が終わって写真をみたときに気づくと加工したり、ちょっとめんどくさいです。
最終確認が完了したら、これで衣装の完成です!!!
最後に
衣装の作り方、大まかな流れをザッと紹介しましたがいかがでしょうか!
何度もいいますが、そんなに難しくないです。
丁寧に、手順通りに作れば必ず着れるものができます。あとは慣れ。
最初はシンプルなワンプースから始めるとか、既製品の改造から始めるとかでも。
装飾たっぷりのブリブリ衣装でも時間をかければできると思います。
「難しそうだから無理」「自分は不器用だから無理」と思い込みで諦めずにぜひ一度チャレンジしてみて欲しいです!
コスプレの幅も、見える世界も全然変わってきますよ!